漆黒のシャルノス -What a beautiful tomorrow-

ネタバレ感想メモ

端的に言うと、メアリが可愛いんですよ。エロゲー的可愛さではなく、少女漫画的可愛さ。そんなゲームでした。健全な可愛さ。

メアリのどんなところが可愛いか。
まず立ち絵が可愛い。いじられてたり、拗ねてたり、焦ってたり、ハァハァしてたり、豊かな表情をお持ちです。
次に性格が可愛い。シャーリィのために明日を諦めない姿勢が本当に眩しい。

−−−できる、メアリ?
−−−できるわ。だって、約束したもの。
−−−今だって、覚えてる。
見てなさい!化け物!

頑張れメアリ!という気持ちになりますよね。ゲームパートはクソつまらんですが。二週目以降飛ばせるので許してあげて。
一方で

……よっし。課題、終わらせよっと。

といったあたりは、普通の勤勉な学生ですね。

声も可愛い。落ち着きのある声が普通の中流貴族(?)らしさを主張している。

Mとの絡みも可愛い。これはむしろMのいわゆるツンデレ要素に依存していると思うけど、メアリがMに突っかかっていくところが実に可愛い。MはMで仔猫仔猫と柄にもなく挑発していて、そんなにメアリが好きなら……って思っていたらシャルノスの一日で妄想大爆発でしたね。ああなりたいがためにタタールの門を開いたのかと思うと…メアリ愛されてるなぁ。

愛読書だ。
唯一の。

これが序盤にして最大のデレですからね。webノベルでは更なるデレを披露していますが。


英国20世紀という時代背景もよくあるエロゲーとは趣きが異なり好感が持てます。スチームパンクホラーでしたっけ、灰色の空や暗い裏路地から醸し出される暗い雰囲気も、メアリのひたむきな姿勢をより際だたせていますね。
この手の世界観って得てして残念なゲームに終わる事が多い気がするのですが(実例を挙げられないので妄想かもしれない)、このゲームは最後まで雰囲気を保ちきって見事メアリのハッピーエンドに繋げましたよね。


脇役も当然の事ながら良い味を出している。例えばアーシェとハワード。
アーシェにとって、シャーリィ&メアリ>>>ハワードという興味関心度の構図が如実にその味を示している。
アーシェはことあるたびにメアリが変な男に引っかかったと心配し、そんなアーシェを心配してハワードが人肌脱ぐ。


蒼天連盟における疑似家族も良かった。ジェーンの見た目とのギャップが良い。

ブラムとヘンリエッタに関しては、どうしてもブラムの外見と声と口調とのギャップに違和感をぬぐえなかった。

チャーチルヴァイオラについては、チャーチルもっと活躍すれば人気も鰻登りだろうに、と。



シャーリィは、心の弱い子の裏返しとして、お姉さんキャラを演じていたのか。それとも心の弱さは洗脳後のモノなのか、いまいち判断が付かなかった。

首を傾げるシャーリィの姿は、いつもの、年長を意識したものではなくて、幼い頃の、小さな声で喋る姿に、似ていた。

とあるように、もともとは物静かな子であったと推測できる。





その他どうでもいい点

ストーリーについてよりも、テキストの構造がやや気になった。確かに中身は各章ごとに書いているのだが、骨格部分についてはほとんど使い回しの文章が使われている。もちろん手抜きというより意図的にそういう見せ方をしているんだろうが、ちょっと気になった。それとは別に様々な反復表現も多様されるので、ますます気になった。個人的にはあまり好きになれなかったが、全10話のシリーズアニメだと考えれば良いのかもしれない。毎度メアリ嬢が走って逃げ切ってMがやっつける、っていう30分アニメ。


また、前作からの設定や、ホームズネタがかなり幅を効かせていて、置いてきぼり感が否めない。

例えば、物語終盤にホームズとモリアーティ教授が対面するシーンがある。

ホームズ「そろそろ、幕としよう。女王陛下も遠からずお隠れになるだろう。既に、ロンドンに残る役者はきみだけだ。」
教授「……なるほど。滝である必要はないのかね。在るべき≪史実≫をきみ自身が否定するか?」
ホームズ「ワトスンが戻ったら伝えておこう。ライヘンバッハは遠い」

この会話では、史実、つまりコナンドイルの小説ではライヘンバッハの滝で二人が死ぬことを念頭に置かれている。wikiで調べればわかる事だが、やはりこういったネタは事前知識として備えていてゲーム中にニヤニヤできる方が良いだろう。



というより、クリアした後でも色々とわからない事ばかりだ。
そういう細かい事を気にしてはいけないのかもしれない。


とは言いつつ疑問点を羅列。
・シャーリィは何故暗示迷彩を纏ったモランが見えたのか。メアリは黄金瞳があるから、という理由で説明できそうだが。。あの時点で降霊会の結果タタールの門まで辿り着き、Mと契約が済んでいたということか。
・何故シャーリィお手製のケータイは怪異に対して反応するよう作られているのか。メアリが怪異に襲われる事を見越していたのか。むしろ、メアリを巻き込みたくないと思っていたのならあんなケータイ渡さないのでは?
・シャーリィ昏睡の理由はMにも原因がある。確かに元々はシャーリィの精神的な問題にあるが、Mや教授がシャーリィを洗脳?したという側面も十分考慮すべきだろう。メアリはそこらへん気にしてないのか?言うこと聞けばシャーリィを助けてやる、って完全に自作自演では?ラストにてMを脱ニート化させた以上、お咎め無しか。
・そもそも何故メアリに黄金瞳が発動したのか。メアリでなければいけない理由があったのか。シャーリィにも発動していたが、シャーリィの場合は何故あのタイミングで発動したのか。シャーリィはその後黄金瞳が無かった事になっているが、何故メアリはそのままなのか。


多分きちんと文章読んでいればわかる問題もあるんだろう。ちゃんと読んでなくてごめん。それにプレイ後数日経った今となってはメアリの可愛さ以外どうでもいい事かもしれない。


あ、音楽に関してはForestにも近いケルト的音楽で、センスも良いかと思います。
OPを見ればすぐわかりますね。


そんなわけで、久しぶりにプレイしたエロゲーがなかなかの名作だったので、思わず感想を書いてしまったわけです。次回作に期待と同時に、前作のプレイも視野に入れなければいけないですね。


参考にしたい素敵な感想サイト
ttp://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=11437&uid=perform
ttp://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=11437&uid=vostok
ttp://trismegistuslabo.com/blog/archives/game/090103161.php
ttp://ouestmachatte.blog.shinobi.jp/Entry/28/