とらドラ1〜9

ネタバレ感想メモ。


1〜5までは王道ラブコメラノベの原点か。
北村が金髪になるあたりはまだギリギリラブコメと言えるかもしれない。
しかしクリスマスパーティー以降の展開はコメディ要素が薄く青春恋愛模様に終始。ここまできちっと丁寧に人間関係のラブを描くラブコメも珍しい?作者の特徴と言えるらしい。
単に僕がラブコメをお色気コメディと勘違いしているだけかもしれないが。

この恋愛模様それ自体はそこまでグッとくるわけではない。肝心なのは、5巻までの蓄積がキャラへの愛着・感情移入を生み出している点だ。亜美ちゃんにはなんとか幸せになって欲しいけどまあ竜児は大河のものだよなぁ。とかね。
おかげで続きが非常に待ち遠しくカタルシスに期待せざるを得ない。

しかしまあなんというか、ギャルゲーに近い手法。前半コメディ後半シリアス。ちゃんと1つのお話でヤマを作ってるからダラダラしがちなギャルゲよりすんなり読める。このまま大河と駆け落ちすればリトバスとでも言えるしクラナドにもなりそうだ。7〜9巻にかけてかなりの修羅場を踏んできてるけど!!



また、実に波乱に満ちた展開に思えて仕方ないが、案外序盤のキャラ付けを汲んで予定調和的に進んでいたように見える。大河は竜児に縋る事の意味を知りつつも無意識下に放置していたし、みのりんは恋愛を幽霊だと言っていたし、亜美ちゃんは……どこまで本気なのかわからない。むしろ全体を見通すキーパーソンでした。。
ギャルゲー的に見ればヒロイン三人から迫られていてどうしようかという流れである。主人公はとりあえずみのりんの攻略を決めたようだ。


大河:父親代わり。自分が縋っている男は親友の女を好いていて、その親友もそいつを好いている。これは応援するしかないではないか。自分の気持ちを隠すのがベスト。しかしそれにも増して友情に篤い親友がその気持ちに気づき、自ら退く。。もう障害は無くなった。縋るのではなく、共に並び立つ存在になれるか。



みのりん:恋愛よりも友情愛を大切にする女。その程度の愛とか言ってはいけない。まーでもこれって冷静になれば最初から竜児が大河に収まってりゃ生まれなかった構図ですよ。
ちょくちょく亜美ちゃんが指摘する罪悪感というキーワードもわかるようでいまいち見えてこない。親友の気持ちを差し置いて自分が相手を独占する事に対する罪悪感なんだろうけど……。



亜美ちゃん:異邦人から仲間になりたかった。全体を見渡す事で、誰がバカなのかをいち早く察すると同時に、誰も自分を見てくれていない事までも察してしまって……みんなの関係を取り持つと同時に居場所を探す。そこらへんが亜美ちゃんが竜児を好む理由になるんだろう。竜児はまるで亜美ちゃんを助けられていないように見えるが。
仲間になるために?、みのりんに嫌味を言ってみたり、大河を応援してみたり、旅行行ったりプロレスやったりクリスマスイベントやったり。唯一木原の応援だけが欠落しているように見える。
あぁ誰かが彼女を正面から見てあげていればあそこまで寂しさを感じる事は無かったのかもしれない、ってこれ大河にも言える事なのか。




10巻以降竜児が大河へ向かうのは明白だが、竜児自身も進路問題を通じて母親からの自立を意識し始めている。ここらへんが青春ラブコメたる所以か。
それでもやはり高卒就職同棲コースはやはりクラナドをよぎらせる。



ともあれ10巻で終わられると容量の都合上亜美ちゃんが報われないままハッピーエンドを迎える可能性が出てくるので、11巻ぐらいまでは続くんじゃないかな。

みのりんがああな以上客観的にはハッピーエンドとは言えない(そもそも構図的に不可能)かも知れないが、せめてキャラクターの主観ではハッピーで終わって欲しい。春田大丈夫かな・・・。(←再度ストーリーで詳細語られてるのね)



というかこれうちの研究室で起きてるケースとやや似てました。女二人(友達同士)が同じ先輩を好きになって〜〜みたいな。時間差だったとはいえ、どっちも自分を優先して単身告白してましたが!!周りが気を遣わなくちゃいけなくて仕方ない。